学研全訳古語辞典 |
たり-・けむ
分類連語
①
〔「けむ」が過去の事柄を推量する意の場合〕…ていただろう。…たのだろう。
出典平家物語 七・忠度都落
「薩摩守(さつまのかみ)忠度(ただのり)は、いづくよりや帰られたりけん」
[訳] 薩摩守忠度は、どこからお帰りになったのだろうか。
②
〔「けむ」が連体修飾語となり、過去の事柄の伝聞や、仮定・婉曲(えんきよく)表現などの場合〕…ていたとかいう。…ていたとしたら、その。
出典徒然草 五三
「医師(くすし)のもとにさし入りて向かひゐたりけん有様」
[訳] 医者の家の中に入って、(医者と)対座していたとかいうありさまは。◆「たりけん」とも表記する。
なりたち
完了の助動詞「たり」の連用形+過去推量の助動詞「けむ」
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