学研全訳古語辞典 |
たり-・けり
分類連語
①
…た。
出典伊勢物語 六二
「『このありつる人たまへ』と主(あるじ)に言ひければ、おこせたりけり」
[訳] 「あの先ほどの(食事の給仕をしてくれた)女性をよこしてください」と主人に言ったので、(主人は、女性を男の所に)よこした。
②
…ていた。
出典伊勢物語 九三
「昔、男、身はいやしくて、いと二(に)なき人を思ひかけたりけり」
[訳] 昔、男が、身分は低くて、たいそう比類のない(ほどの身分の高い)女性を恋しく思っていた。
注意
活用語の連用形に付く連語。
なりたち
完了の助動詞「たり」の連用形+過去の助動詞「けり」
たり-・けり
分類連語
…であった。
出典古今著聞集 一三九
「具平(ともひら)親王家の作文(さくもん)の序者たりけるに」
[訳] (橘正通(たちばなのまさみち)が)具平親王家の詩作の(会で)序詩を作る役であったときに。
注意
体言に付く連語。
なりたち
断定の助動詞「たり」の連用形+過去の助動詞「けり」
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