学研全訳古語辞典 |
な・ぐ 【和ぐ】
活用{ぎ/ぎ/ぐ/ぐる/ぐれ/ぎよ}
①
心が穏やかになる。なごむ。
出典伊勢物語 七五
「心はなぎぬ語らはねども」
[訳] 心は穏やかになった。うち解けてはいないけれども。
②
風がやみ海が静まる。波が穏やかになる。
出典源氏物語 須磨
「海の面(おもて)うらうらとなぎわたりて」
[訳] 海の表面はうららかに波が静まりかえって。◇「凪ぐ」とも書く。
な・ぐ 【投ぐ】
活用{げ/げ/ぐ/ぐる/ぐれ/げよ}
①
遠くへ投げる。
出典日本書紀 神代上
「その杖(みつゑ)をなげたまふ」
[訳] その杖(つえ)を遠くへ投げなさる。
②
投げ捨てる。身投げをする。入水(じゆすい)する。
出典大和物語 一四七
「すみわびぬわが身なげてむ」
[訳] 世に住むのがいやになった、わが身を(川に)投げ捨ててしまおう。
な・ぐ 【薙ぐ】
活用{が/ぎ/ぐ/ぐ/げ/げ}
横に払って切る。
出典日本書紀 景行
「王(みこ)の傍(かたはら)の草をなぎはらふ」
[訳] 王(=日本武尊(やまとたけるのみこと))がそばにある草を横に払って切りのける。
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