学研全訳古語辞典 |
なくなみだ…
分類和歌
「泣く涙雨と降らなむ渡り川水まさりなば帰り来るがに」
出典古今集 哀傷・小野篁(をののたかむら)
[訳] わたしの泣く涙が雨となって降ってほしい。それで三途(さんず)の川の水かさが増したならば、あなたは渡ることができなくて、この世に帰って来るであろうから。
鑑賞
「渡り川」とは、あの世とこの世の境を流れる「三途の川」のこと。自分の流す涙で三途の川の水かさが増せば、渡ることができずに引き返して来るだろうと、想像力を働かせて、とめどない悲しみを表現している。「なむ」は願望の終助詞。
なくなみだのページへのリンク |