学研全訳古語辞典 |
にくから-・ず 【憎からず】
分類連語
①
情愛が細やかである。
出典竹取物語 御門の求婚
「御返り、さすがににくからず聞こえ交はし給(たま)ひて」
[訳] ご返事は、そうはいっても情愛細やかにやりとり申し上げなさって。
②
あいきょうがある。感じがよい。
出典枕草子 正月一日は
「男君もにくからずうち笑(ゑ)みたるに」
[訳] 男主人も感じがよくにっこりしているが。
語法
「にくし」ではない、の形をとった遠回しの表現で、多く連用修飾語として用いられる。
なりたち
形容詞「にくし」の未然形+打消の助動詞「ず」
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