学研全訳古語辞典 |
に-し
分類連語
…てしまった。
出典新古今集 雑上
「めぐり逢(あ)ひて見しやそれとも分かぬ間(ま)に雲隠れにし夜半(よは)の月影」
[訳] ⇒めぐりあひて…。
参考
用例は紫式部の歌で「小倉百人一首」にも採録されているが、「月影」が「月かな」となっている。
なりたち
完了の助動詞「ぬ」の連用形+過去の助動詞「き」の連体形
に-し
分類連語
…で。
出典徒然草 二五
「飛鳥川(あすかがは)の淵瀬(ふちせ)常ならぬ世にしあれば」
[訳] 飛鳥川の淵や瀬が変わりやすいように、変わりやすい世の中であるから。
なりたち
断定の助動詞「なり」の連用形「に」+副助詞「し」
にし 【螺・辛螺】
小形の巻き貝の総称。
にし 【西】
①
方角の一つ。
②
西風。
出典更級日記 竹芝寺
「にし吹けば東になびき」
[訳] 西風が吹くと(ひさごは)東へ寄り。
③
西方浄土。
にしのページへのリンク |