学研全訳古語辞典 |
のみ
《接続》体言、活用語の連体形、副詞、助詞などに付く。
①
〔限定〕…だけ。…ばかり。
出典徒然草 一三七
「花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは」
[訳] 桜の花は満開のときに、月はかげりがない満月のときにだけ見るものであろうか、いや、そうではない。
②
〔特に強調〕とりわけ。特に。
出典徒然草 二一
「月・花はさらなり、風のみこそ、人に心はつくめれ」
[訳] 月や花は言うまでもないが、風はとりわけ、人に感動の気持ちを起こさせるようだ。
③
〔強調〕ただもう…する。ひたすら…でいる。▽「のみ」を含む文節が修飾している用言を強める。
出典源氏物語 桐壺
「御胸のみつと塞(ふた)がりて、つゆまどろまれず」
[訳] (帝(みかど)は)おん胸がただもういっぱいになって、少しもお休みになれない。
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