学研全訳古語辞典 |
はなのうへに…
分類和歌
「花の上にしばし映(うつ)ろふ夕づく日入るともなしに影消えにけり」
出典風雅集 春中・永福門院(えいふくもんゐん)
[訳] 桜の花の上に少しの間照り映えていた夕陽。いつ沈んでしまったということもなく、かすかな光は消えてしまったことだ。
鑑賞
桜の花に夕陽が照り映えているが、その光も刻々と弱まっていく。ふと気づくと光は消えて、花は闇の中に白く沈んでいる。そのいつともなく消えてしまった残光に、うつろいやすい美に対する哀感が込められる。
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