学研全訳古語辞典 |
はなのくも…
分類俳句
「花の雲鐘は上野か浅草か」
出典続虚栗 俳諧・芭蕉(ばせう)
[訳] はるかに見渡せば、雲と見まがうほどの桜の花の盛りである。折から隅田川を渡って聞こえて来る鐘の音は、上野の寛永寺であろうか、それとも浅草の浅草(せんそう)寺であろうか。
鑑賞
江戸深川の芭蕉庵(ばしようあん)での句。花も鐘の音もおぼろにかすむ、高層ビルもスモッグもなかった時代の、春風駘蕩(しゆんぷうたいとう)たる江戸の春景色である。季語は「花の雲」で、季は春。
はな-の-くも 【花の雲】
分類連語
桜の花が一面に咲き連なっているようすを雲に見立てていう語。[季語] 春。
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