学研全訳古語辞典 |
はなよりも…
分類俳句
「花よりも団子やありて帰る雁(かり)」
出典犬子集 俳諧・貞徳(ていとく)
[訳] 美しい桜の咲く春だというのに、雁は北へと帰って行く。花より好きな団子があるから、花に心ひかれることなく帰ってしまうのだろうか。
鑑賞
伊勢(いせ)の「春霞(はるがすみ)立つを見捨てて行く雁(かり)は花なき里に住みやならへる」(『古今和歌集』)〈⇒はるがすみ…。〉と「花より団子」ということわざをふまえた句。有名な古歌をことわざで滑稽(こつけい)化している。季語は「帰る雁」で、季は春。
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