学研全訳古語辞典 |
は-や
分類連語
…よ。…よなあ。▽文末に用いて、強い詠嘆の意を表す。
出典源氏物語 須磨
「漁(いさ)りせむとは思はざりしはや」
[訳] 漁をすることになろうとは思いもしなかったなあ。◆上代語。
なりたち
係助詞「は」+間投助詞「や」
は-や
分類連語
…は…か。▽文中に用いて、疑問を表す。
出典万葉集 一七七一
「後れゐてわれはや恋ひむ」
[訳] 後に残っていて私は恋しく思うだろうか。
語法
文末の活用語は、係助詞「や」を受けて連体形となる。
なりたち
係助詞「は」+係助詞「や」
はや 【早】
①
すみやかに。一刻も早く。▽命令・勧誘・願望などの表現を伴う。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「はや出(い)だし奉れ」
[訳] 一刻も早くお出し申し上げよ。
②
早くも。もう。すでに。
出典伊勢物語 六
「鬼はや一口に食ひてけり」
[訳] 鬼はすでに一口に(女を)食ってしまっていた。
③
〔下に詠嘆の助動詞「けり」を伴って〕もともと。元来。実は。
出典平家物語 六・祇園女御
「変化(へんげ)の物にてはなかりけり。はや人にてぞ有りける」
[訳] 化け物ではなかった。実は人だったのだ。
は-や 【甲矢・端矢】
弓術で、一回に矢二本を一組として射るときの、最初に射る矢。[反対語] 乙矢(おとや)。
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