学研全訳古語辞典 |
はら-はら(と)
①
さらさら(と)。▽物が触れ合って立てるかすかな音を表す語。
出典源氏物語 帚木
「衣(きぬ)の音なひはらはらとして」
[訳] 衣(きぬ)ずれの音がさらさらとして。
②
物が砕けたり、壊れたり、破れたりする音を表す語。
出典今昔物語集 二三・一九
「八つの胡桃(くるみ)一度にはらはらと砕けにけり」
[訳] 八つのくるみは一度にばしっと砕けてしまった。
③
ぱちぱち(と)。▽物が焼けてはぜる音を表す語。
出典徒然草 六九
「焚(た)かるる豆殻のはらはらと鳴る音は」
[訳] 燃やされる豆殻のぱちぱちと鳴る音は。
④
長い髪などがゆらめいて垂れ下がるようす。
出典源氏物語 葵
「はらはらとかかれる枕(まくら)の程」
[訳] (髪が)ふんわりとかかった枕のようす。
⑤
ぱらぱら(と)。ぽろぽろ(と)。▽雨・木の葉や涙がしきりに落ちるようす。
出典平家物語 二・教訓状
「大臣(おとど)聞きもあへずはらはらとぞ泣かれける」
[訳] 大臣殿はみなまで聞かずに涙をぽろぽろと流してお泣きになった。
⑥
気をもむようす。◇近世語。
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