学研全訳古語辞典 |
はなさそふ…
分類和歌
出典百人一首
「花さそふ嵐(あらし)の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり」
出典新勅撰集 雑一・藤原公経(ふぢはらのきんつね)
[訳] 花を誘って散らす激しい嵐の吹く庭に、花が雪のように降るのではなくて、古(ふ)りゆく(=年をとる)のは、この私であったのだなあ。
鑑賞
「ふりゆく」の「ふり」に、「降り」と「古(ふ)り」とをかけている。
はなさそふ…
分類和歌
「花さそふ比良(ひら)の山風吹きにけり漕(こ)ぎ行く舟の跡見ゆるまで」
出典新古今集 春下・宮内卿(くないきやう)
[訳] 美しく咲いた桜を誘うように散らせる比良の山風が吹いたのだなあ。漕いで行く舟の航跡がはっきりわかるほどに、湖面いっぱいに花びらを散らして。
鑑賞
満誓(まんぜい)の「世の中を何にたとへむ朝びらき漕ぎ去(い)にし舟の跡なきがごと」(『万葉集』)〈この世を何にたとえよう。朝、港を漕(こ)ぎ出して行った舟が何の跡も残さないようなものだ。〉を本歌とする。
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