学研全訳古語辞典 |
ふるいけや…
分類俳句
「古池や蛙(かはづ)飛び込む水の音」
出典春の日 俳諧・芭蕉(ばせう)
[訳] 春の静けさの中、時折古池にかえるが飛び込む音が聞こえる。その音がいっときの余韻を残し、再びもとの静寂さを取り戻す。
鑑賞
江戸深川の芭蕉庵(あん)での作という。最初、「蛙」以下の七五を作って上五文字を思案していたところ、榎本其角(えのもときかく)が「山吹や」の案を示したが芭蕉はとらず、「古池や」に定めたという話がある。蕉風開眼の句ともいい、昔から有名な句である。たまさか聞こえる水の音に、閑寂さが強く印象づけられている。和歌の伝統的な「蛙鳴く」という発想を「蛙飛ぶ」とし、「水の音」を句の中心に置いた点に独創性があふれた句である。季語は「蛙」で、季は春。
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