学研全訳古語辞典 |
じゃう-らふ 【上﨟】
①
年功を積んだ高僧。
出典今昔物語集 一・二七
「じゃうらふ、皆、汝(なんぢ)が出家を許さず」
[訳] 年功を積んだ高僧がみんな、おまえの出家を許さない。◇仏教語。
②
上流階級の人。身分・地位の高い人。
出典源氏物語 蜻蛉
「今はなかなかのじゃうらふになりにて侍り」
[訳] 今は、(私も)なまじ官位が高くなりましたし。
③
身分の高い婦人。
出典源氏物語 帚木
「じゃうらふの中にも多かることぞかし」
[訳] 身分の高い婦人の中にもよくあることなのです。
④
「上﨟女房(にようばう)」の略。
⑤
遊女。
出典班女 謡曲
「われあまたじゃうらふを持ちて候ふ中に花子と申し候ふ人は」
[訳] 私が大勢の遊女を雇っております中に、花子と申します者は。◆「﨟」は僧が受戒してから一定期間一か所にこもって修行すること。[反対語]①②下﨟(げらふ)。
上﨟のページへのリンク |