学研全訳古語辞典 |
たい 【体】
①
からだ。身体。
②
ありさま。姿。様式。「てい」とも。
出典申楽談儀
「音曲に、一句一句のたいを違(たが)へんとて、そればかり知りて」
[訳] 音曲について、一句一句の姿を間違えないようにと、そればかり気にして。
③
本質。本体。
出典去来抄 修行
「不易(ふえき)の句は俳諧(はいかい)のたいにして、いまだ一の物数寄(ものずき)なき句なり」
[訳] 永遠の感動を起こす句は俳諧の本質であり、まだ一つの特別な趣向もない句である。
-たい 【体】
神仏の像などを数える。
出典徒然草 二五
「丈(ぢやう)六の仏九(く)たい」
[訳] 一丈六尺の仏像が九体。
-てい 【体・躰】
〔体言に付いて〕…の類。…ふぜい。▽見かけがそれと同類・同程度のものの意を表す。
出典平治物語 下
「蓑(みの)・笠(かさ)・着物ていのもの」
[訳] 蓑・笠・着物の類のもの。
てい 【体・躰】
①
姿。ようす。ありさま。
出典平家物語 七・忠度都落
「事のてい何となう哀れなり」
[訳] 事(=忠度(ただのり)と俊成(としなり)の対面)のありさまはこれということもなくしみじみとしていた。
②
詠みぶり。風体(ふうてい)。▽和歌・連歌(れんが)の表現形式。
出典近代秀歌
「貫之(つらゆき)、…余情妖艶(えうえん)のていを詠まず」
[訳] 貫之は、…余情妖艶の(歌の)風体を詠まない。
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