学研全訳古語辞典 |
なに-が-さて 【何がさて】
分類連語
①
何はともあれ。言うまでもなく。▽相手の言うことを受けて、まず第一に自分の考えを強く主張する気持ちを表す。
出典心中天網島 浄瑠・近松
「『疑ひの念なきやうに誓紙書かすが合点か』『なにがさて、千枚でもつかまつらう』」
[訳] 「疑いの念のないように誓紙を書かせるが、いいか」「言うまでもなく、千枚でもお書きいたしましょう」。
②
どうしてどうして。とんでもない。▽強い打消を表す。
出典末広がり 狂言
「『なにがさて、広い都でござるによって、都にないと申すことがござらうか』」
[訳] どうしてどうして、広い都でございますから、都にないということがございましょうか。
なりたち
代名詞「なに」+格助詞「が」+副詞「さて」
何がさてのページへのリンク |