学研全訳古語辞典 |
あぜ 【何】
なぜ。どのように。
出典万葉集 三五一七
「あぜ為(せ)ろと心に乗りてここばかなしけ」
[訳] どのようにしろというのか、心にのりうつってこんなにも悲しいのか。◆上代の東国方言。
なに 【何】
なにごと。なにもの。何。▽不定称の指示代名詞。名前や実体のわからない事物をさす。
出典徒然草 二四三
「教へ候ひける仏をば、なにが教へ候ひける」
[訳] (人を)教えました仏を、なにものが教えましたか。
どうして(…か)。なぜ(…か)。▽疑問・反語の意を表す。
出典新古今集 春上
「見渡せば山もと霞(かす)む水無瀬川(みなせがは)夕べは秋となに思ひけむ」
[訳] ⇒みわたせばやまもとかすむ…。
なんだ。なんだって。なんと。▽念を押して問い返す。
出典鉢木 謡曲
「鎌倉へ勢の上(のぼ)るといふはまことか。なにおびたたしう上るとや」
[訳] 鎌倉に軍勢が上るというのは本当か。なんだって、おびただしく上るというのか。
語法
[二]は、疑問語であるため、文中に係助詞がなくても、文末の活用語は連体形で結ぶ。
なん 【何】
「なに」に同じ。◆「なに」の変化した語。
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