学研全訳古語辞典 |
わ・く 【分く・別く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
区別する。分ける。
出典古今集 冬
「雪降れば木毎(きごと)に花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし」
[訳] ⇒ゆきふれば…。
②
判断する。理解する。
出典新古今集 雑上
「めぐり逢(あ)ひて見しやそれともわかぬ間まに雲隠れにし夜半(よは)の月影」
[訳] ⇒めぐりあひて…。
{語幹〈わ〉}
①
区別する。分ける。
出典平家物語 二・阿古屋之松
「日本は、昔三十三か国にてありけるを、中ごろ六十六か国にわけられたんなり」
[訳] 日本は、昔三十三か国であったのを、そう遠くない昔六十六か国に分けられたそうだ。
②
押し分けて進む。切り開いて進む。
出典更級日記 竹芝寺
「野山、蘆(あし)荻(をぎ)のなかをわくるよりほかのことなくて」
[訳] 野や山を越え、蘆や荻の中を押し分けて進む以外のことはなくて。
③
物を分ける。分配する。
出典源氏物語 葵
「ただ今は、ことざまにわくる御心もなくて」
[訳] 現在は、(紫の上以外の)ほかの女に分け与えるご愛情もない状態で。
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