学研全訳古語辞典 |
う・く 【受く】
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
①
受け止める。受け取る。
出典万葉集 一九六六
「風に散る花橘(はなたちばな)を袖(そで)にうけて」
[訳] 風に散る橘の花を袖に受け止めて。
②
聞き入れる。承知する。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「『よきことなり』とうけつ」
[訳] (翁(おきな)は)「それはよいことだ」と承知した。
③
こうむる。授かる。身に受ける。
出典徒然草 一五五
「ただし、病(やまひ)をうけ、子産み、死ぬることのみ、機嫌をはからず」
[訳] ただし、病気にかかり、子を生み、死ぬことだけは時機に無関係である。
④
信頼する。好意をもつ。
出典今昔物語集 二五・五
「身に敵(かたき)もなく、よろづの人にうけられてなむありける」
[訳] 自分を敵とする者もなく、みなの人から信頼されていたのだった。
⑤
金を払って引き取る。請け出す。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「その後うくる事成りがたく」
[訳] (質に入れた衣類も)その後請け出すことができなくて。◇「請く」とも書く。近世語。
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