学研全訳古語辞典 |
かしかま・し 【囂し】
活用{((しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ)}
やかましい。うるさい。
出典枕草子 鳥は
「あやしき家の見どころもなき梅の木などには、かしかましきまでぞ鳴く」
[訳] みすぼらしい家の枝ぶりも悪い梅の木などには、やかましいくらい鳴いている。◆近世には「かしがまし」となった。
かしま・し 【囂し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
「かしかまし」に同じ。
出典落窪物語 三
「あなかしまし。今は取り返すべき事にもあらず」
[訳] ああ、うるさい。今はもう取り返せることでもない。
かま・し 【囂し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
やかましい。
出典栄花物語 月の宴
「耳かましきまでの御祈りども」
[訳] 耳にやかましいほどのお祈りの声々。
かま-びす・し 【囂し・喧し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
うるさい。やかましい。騒がしい。
出典曾丹集
「かまびすくすだきし虫も」
[訳] やかましく鳴いた虫も。
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
[一]に同じ。
出典方丈記
「波の音、常にかまびすしく」
[訳] 波の音は、常にやかましく。◆鎌倉時代以降に用いられる。
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