学研全訳古語辞典 |
ふた・ぐ 【塞ぐ】
活用{が/ぎ/ぐ/ぐ/げ/げ}
①
覆う。ふたをする。遮る。ふさぐ。
出典枕草子 頭の中将の
「声などする折は、袖(そで)をふたぎてつゆ見おこせず」
[訳] (私の)声などがするときには、(頭の中将は)袖で(顔を)ふさいで少しも(私を)見ないで。
②
「韻塞(ゐんふた)ぎ」をする。
出典源氏物語 賢木
「ふたぎもてゆくままに、難き韻の文字どもいと多くて」
[訳] しだいに「韻塞ぎ」をしていくうちに、むずかしい韻の文字などがたいそう多く(残っ)て。
活用{げ/げ/ぐ/ぐる/ぐれ/げよ}
①
いっぱいにする。占領する。
出典源氏物語 松風
「寝殿(しんでん)はふたげ給(たま)はず」
[訳] 寝殿は(仕切りなどで)いっぱいになさらず(あけておいて)。
②
妨げる。遮る。
出典源氏物語 蜻蛉
「今まうでのぼりける道にふたげられて」
[訳] たった今参上した通路を(薫(かおる)に)遮られて。
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