学研全訳古語辞典 |
やど・る 【宿る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
旅先で宿を取る。泊まる。宿泊する。
出典古今集 冬・詞書
「奈良の京にまかれりける時に、やどれりける所にて詠める」
[訳] 奈良の京に旅をしていたときに、宿泊していた所で詠んだ歌。
②
住みかとする。住む。一時的に住む。
出典源氏物語 夕顔
「仮にても、やどれる住まひのほどを思ふに」
[訳] たとえ、仮のものであっても、住みかとしている家のあたりを思うと。
③
とどまる。
出典源氏物語 東屋
「あはれ、亡き魂(たま)や、やどりて見給(たま)ふらむ」
[訳] ああ、亡くなった人の魂がここにとどまってごらんになっているだろうか。
④
寄生する。
出典源氏物語 宿木
「いと気色(けしき)ある深山木(みやまぎ)にやどりたる蔦(つた)の色」
[訳] たいそう趣のある奥山の木に寄生しているつたの(紅葉の)色。
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