学研全訳古語辞典 |
しゅく-・す 【宿す】
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
やどる。泊まる。
出典太平記 四
「釣して芦花(ろくわ)の岸にしゅくすれば」
[訳] 釣りをして蘆(あし)の花が咲く岸に泊まっていると。
やど・す 【宿す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
宿を貸す。宿泊させる。
出典方丈記
「たとひ、広くつくれりとも、誰(たれ)をやどし、誰をか据ゑん」
[訳] たとえ、広く作ったとしても、いったいだれを宿泊させ、だれを住まわせようか。
②
とどめる。残す。
出典竹取物語 仏の御石の鉢
「置く露の光をだにもやどさまし」
[訳] (もしこれが本物なら)置いた露の光ほどのわずかの光だけでも残すだろうに。
③
預けておく。
出典方丈記
「いかなるわざをしてか、しばしもこの身をやどし、たまゆらも心を休むべき」
[訳] どんなことをしたら、しばらくでも、この身を(この世に)預け、少しの間でも心を休めることができるだろうか。
④
妊娠する。はらむ。▽「子をやどす」などの形で用いる。
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