学研全訳古語辞典 |
しらつゆも…
分類俳句
「白露もこぼさぬ萩(はぎ)のうねりかな」
出典芭蕉庵文庫 俳諧・芭蕉(ばせう)
[訳] 萩が、その花や葉に美しい白露をいっぱいに宿している。時折、夕風が吹くが、しなやかに身をくねらせながら、置く露をこぼそうともしない。
鑑賞
夕風に吹かれる野の萩の風情を詠みとった、絵を思わせる句である。中七が「こぼれぬ萩の」の形も伝わるが、それでは、風の前に辛(から)くも身を持ちこたえる萩の、可憐(かれん)な風情が出ない。季語は「白露」で、季は秋。
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