学研全訳古語辞典 |
やどり 【宿り】
①
旅先で泊まること。宿泊。宿泊所。宿所。宿。
出典古今集 春下
「やどりして春の山べに寝たる夜(よ)は夢のうちにも花ぞ散りける」
[訳] ⇒やどりして…。
②
住まい。住居。特に、仮の住居にいうことが多い。
出典徒然草 一〇
「家居(いへゐ)のつきづきしくあらまほしきこそ、仮のやどりとは思へど、興あるものなれ」
[訳] 住居が、(住む人に)似つかわしく理想的なのは、一時的な(現世の)住まいとは思うけれど、趣のあるものである。
③
一時的にとどまること。また、その場所。
出典枕草子 鳥は
「卯(う)の花、花橘(はなたちばな)などにやどりをして」
[訳] (ほととぎすが)卯の花や、橘の花などに一時的にとどまって。
参考
「宿り」は、住居をさす「やど」「すみか」とは異なり、旅先の・仮のの意を含んでいる。
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