学研全訳古語辞典 |
かぜわたる…
分類和歌
「風わたる浅茅(あさぢ)が末の露にだに宿りもはてぬよひの稲妻(いなづま)」
出典新古今集 秋上・藤原有家(ふじはらのありいへ)
[訳] 風が吹きわたる浅茅の葉先の露のこぼれるほんのわずかの間でさえ、とどまってはいない、宵の稲妻よ。
鑑賞
「宿り」「宵」「稲妻」は縁語。「露」は風にこぼれやすく、はかないもののたとえとして用いられる。この歌では、その露を引き合いに出してそれよりはかない稲妻を詠む。「宿りもはてぬ」というのは、風に吹かれて露がこぼれるほんのわずかの間でさえ、露に映ってはいないで消えてしまう稲妻の光をいう。
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