学研全訳古語辞典 |
かぜかよふ…
分類和歌
「風通ふ寝覚めの袖(そで)の花の香(か)に薫る枕(まくら)の春の夜の夢」
出典新古今集 春下・藤原俊成女(ふぢはらのとしなりのむすめ)
[訳] 桜の花を吹き散らしてきた風が吹き通って目覚めた私の袖は、花の香に薫り、枕のあたりにも同じ香りが漂っている。その枕で見ていた、余韻の消えない春の夜の夢よ。
鑑賞
かぐわしい桜の香りに満ちた春の夜の情趣を、艶麗(えんれい)に表現したもの。この「花」は『新古今和歌集』では桜として扱われているが、原作では梅であった。
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