学研全訳古語辞典 |
そこ 【底】
①
ものの最下部。
②
地。地底。
③
奥底。極み。最も奥深いところ。
出典千載集 夏
「ほととぎすなほ初声を忍ぶ山夕ゐる雲のそこに鳴くなり」
[訳] ほととぎすがその初声をいまだに忍び音で、信夫山に夕方かかる雲の奥底で鳴いていることよ。
④
(心の)奥。心底。
出典源氏物語 若菜下
「心のそこゆかしき様(さま)して」
[訳] 心の奥が知りたいような(立派な)ようすをして。
⑤
底力。
出典源平盛衰記 三六
「鎌倉殿の賜(た)びたる薄墨にも、そこはまさりてこそあるらめ」
[訳] (義経の乗馬は)鎌倉殿の下さった薄墨(という馬)に比べても、底力はまさっているだろう。
底のページへのリンク |