学研全訳古語辞典 |
ごらんぜ-・らる 【御覧ぜらる】
分類連語
(一)
〔「らる」が受身の意の場合〕
①
ご覧になっていただく。
出典枕草子 細殿にびんなき人なむ
「恥づかしく心づきなきことは、いかでかごらんぜられじと思ふに」
[訳] きまりが悪くいやなことは、なんとか(中宮に)ご覧になっていただくまいと思うのに。
②
お世話していただく。
出典源氏物語 行幸
「かうまでごらんぜられ、ありがたき御はぐくみに」
[訳] こんなにまでお世話していただき、めったにないほどのご養育に。
(二)
〔「らる」が尊敬の意の場合〕ご覧になる。ご覧あそばす。
出典平家物語 四・還御
「池の中納言頼盛卿(よりもりきやう)の山荘(さんざう)、あら田までごらんぜらる」
[訳] (上皇は)池の中納言頼盛卿の山荘や新田までご覧あそばす。◇中世以降の用法。
参考
(一)は目上の人が「御覧」になることを、目下の人が「される」意。
なりたち
サ変動詞「ごらんず」の未然形+受身・尊敬の助動詞「らる」
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