学研全訳古語辞典 |
おもひ 【思ひ】
①
考え。思慮。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「おもひのごとくものたまふものかな」
[訳] (私の)考えのとおりにおっしゃることだな。
②
念願。意向。
出典奥の細道 旅立
「片雲(へんうん)の風に誘はれて漂泊のおもひやまず」
[訳] ちぎれ雲が風に吹かれて浮かぶように、風に誘われ、さすらいの旅に出たいという願いが止まらないで。
③
心配。憂い。
出典源氏物語 若菜上
「よろづのことなのめに目やすくなれば、いとなむおもひなくうれしき」
[訳] すべてのことがいい加減でなく感じよくいくので、本当に心配がなくてうれしい。
④
恋しい思い。愛情。
出典後拾遺集 恋一
「かくとだにえやはいぶきのさしも草(ぐさ)さしも知らじな燃ゆるおもひを」
[訳] ⇒かくとだに…。
⑤
喪に服すること。喪中。
出典古今集 哀傷・詞書
「女(め)の親のおもひにて山寺に侍(はべ)りけるを」
[訳] 妻の親の喪で山寺にこもっておりましたところ。
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