学研全訳古語辞典 |
なり 【形・態】
①
物のかたち。かっこう。
出典伊勢物語 九
「その山は…なりは塩尻(しほじり)のやうになむありける」
[訳] その(富士)山は…かっこうは塩尻のようであった。
②
身なり。服装。
出典落窪物語 一
「なりのいとあしくて」
[訳] 身なりがたいへんひどくて。
③
ありさま。ようす。状態。
参考
自然に生じたかたちをいう。「すがた」は意識してつくったかたちのことをいう。
わざ 【業・態・技】
①
行い。しわざ。行為。仕事。
出典枕草子 ふと心おとりとかするものは
「我がもてつけたるをつつみなくいひたるは、あさましきわざなり」
[訳] 自分が使い慣れている言葉を遠慮なく言うのは、情けない行為である。
②
行事。仏事。神事。法要。
出典徒然草 一九
「なき人の来る夜(よ)とて魂(たま)まつるわざは、このごろ都にはなきを」
[訳] 亡くなった人が帰ってくる夜といって魂をまつる行事は、このごろ都では行われないが。
③
事の次第。こと。
出典徒然草 一四二
「人を苦しめ、法を犯さしめて、それを罪なはん事、不便(ふびん)のわざなり」
[訳] 人を苦しめ、法律を犯させて、それを処罰するようなことは、かわいそうなことである。
④
技術。技芸。方法。
出典徒然草 二二六
「武士の事・弓馬(きゆうば)のわざは」
[訳] 武士のことや弓・馬などの(戦闘のための)技術は。
ざま 【様・態】
ようす・ありさまなどをののしっていう語。
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