学研全訳古語辞典 |
なつ・く 【懐く】
活用{か/き/く/く/け/け}
なれ親しむ。親しみ寄る。なじむ。なつく。
出典源氏物語 若菜上
「猫はまだよく人にもなつかぬにや」
[訳] 猫はまだよく人になれ親しまないのであろうか。
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
なれ親しませる。なじませる。なつかせる。
出典源氏物語 若紫
「君は、二、三日内裏(うち)へも参り給(たま)はで、この人をなつけ語らひ聞こえ給ふ」
[訳] 源氏の君は、二、三日の間宮中にも参上なさらないで、この人(=若紫)をなれ親しませ話をしてさし上げなさる。
いだ・く 【抱く・懐く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
抱(だ)く。
出典徒然草 八九
「川の中よりいだき起こしたれば」
[訳] 川の中から(法師を)抱き起こすと。
②
心にもつ。
出典今昔物語集 二・三〇
「子の殺さるるを見て、悲しびをいだけるなり」
[訳] 子が殺されるのを見て、悲しみを心にもったのである。◆「うだく」の変化した語。「だく」の古形。
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