学研全訳古語辞典 |
うち-いだ・す 【打ち出だす】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
打ち鍛えて作り出す。
出典太平記 一三
「雌雄の二剣をうちいだせり」
[訳] 雌雄二振りの剣を打ち鍛えて作り出した。
②
(打つような動作で)振って物を出現させる。打ち出す。
出典一寸法師 御伽
「まづまづ飯をうちいだし」
[訳] まずとりあえず打ち出の小槌(こづち)で飯を打ち出し。
③
ちょっと出す。特に、「出(い)だし衣(ぎぬ)」をする。
出典栄花物語 若生え
「衣(きぬ)のつま重なりてうちいだしたるは」
[訳] 着物の端が重なって(御簾(みす)の下から)ちょっと出してあるのは。
④
(歌・ことばを)口に出す。歌い出す。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「いとゆるるかにうちいだし給(たま)へる」
[訳] (古歌を)たいそうゆっくりと歌い出しなさったの。◆③④の「うち」は接頭語。
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