学研全訳古語辞典 |
うち-おぼ・ゆ 【打ち覚ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
①
心に思い浮かぶ。心に感じられる。
出典源氏物語 明石
「来(き)し方行く先の事うちおぼえ、とやかくやとはかばかしう悟る人もなし」
[訳] (須磨(すま)には)過去のことも将来のことも心に思い浮かび、ああだこうだとはっきり判断のつく人もいない。
②
どことなく似ている。
出典源氏物語 夢浮橋
「いとをかしげにて、少しうちおぼえたまへる心地もすれば」
[訳] (小君(こぎみ)は)とてもかわいらしいようすで、(浮舟に)少しどことなく似ていなさる気もするので。◆「うち」は接頭語。
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
思い出して言う。
出典大鏡 序
「時々さるべきことのさしいらへ、繁樹(しげき)もうちおぼえはべらむかし」
[訳] 時々適当な事柄の受け答えは、(私)繁樹も思い出して言いましょうよ。◆「うち」は接頭語。
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