学研全訳古語辞典 |
うち-と・く 【打ち解く】
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
①
(氷などが)とける。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「谷々の氷うちとけて」
[訳] 谷々の氷がとけて。
②
うちとける。気を許す。
出典伊勢物語 二三
「はじめこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて」
[訳] はじめのうちは奥ゆかしく装っていたけれど、今は気を許して。
③
くつろぐ。のんびりする。
出典源氏物語 蜻蛉
「みなうちとけたれば」
[訳] いずれもくつろいでいるので。
④
油断する。
出典枕草子 うちとくまじきもの
「うちとくまじきもの、えせもの」
[訳] 油断してはならないものは、身分・教養のない人。◆「うち」は接頭語。
活用{か/き/く/く/け/け}
解く。ほどく。
出典枕草子 碁を
「紐(ひも)うちとき」
[訳] ひもをほどいて。◆「うち」は接頭語。
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