学研全訳古語辞典 |
き-・す 【期す】
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
①
時日を定める。
出典枕草子 故殿の御ために
「月、秋ときして」
[訳] 月は、秋と時日を定めて(美しく輝き)。
②
約束する。
出典枕草子 五月ばかり、月もなう
「殿上にていひきしつる本意(ほい)もなくては」
[訳] 殿上の間で話し合って約束した目的も遂げずに。
注意
「期す」を「ごす」と読むと、別語。
ご-・す 【期す】
{語幹〈ご〉}
①
予期する。期待する。
出典徒然草 七四
「ごするところ、ただ老いと死とにあり」
[訳] 予期するものは、ただ老いと死だけである。
②
心積もりをする。予定する。
出典徒然草 九二
「重ねてねんごろに修(しゆ)せんことをごす」
[訳] もう一度入念に身につけることを、心積もりする。
③
覚悟する。心に決める。
出典平家物語 一一・嗣信最期
「敵(かたき)の矢にあたって死なん事、もとよりごするところで候ふなり」
[訳] 敵の矢に当たって死ぬようなことは、もともと覚悟することなのでございます。
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