学研全訳古語辞典 |
は・つ 【果つ】
{語幹〈は〉}
①
終わる。修了する。
出典徒然草 一五五
「春暮れてのち夏になり、夏はてて、秋の来るにはあらず」
[訳] 春が暮れたあと夏になり、夏が終わってから、秋が来るのではない。
②
死ぬ。息を引き取る。
出典源氏物語 薄雲
「ともし火などの消え入るやうにてはて給(たま)ひぬれば」
[訳] 灯火などが消えてなくなるように息をお引き取りになったので。
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
〔動詞の連用形に付いて〕すっかり…してしまう。…し終わる。完全に…になる。
出典枕草子 春はあけぼの
「日入りはてて、風の音(おと)、虫の音(ね)など、はた言ふべきにあらず」
[訳] 日がすっかり沈んでしまって、(耳に聞こえてくる)風の音や虫の鳴き声など(の趣のあることは)、さらにまた言うまでもない。
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