学研全訳古語辞典 |
け-うと・し 【気疎し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
うとましい。なじめない。
出典蜻蛉日記 中
「このさるまじき御仲の違(たが)ひにたれば、ここをもけうとく思(おぼ)すにやあらむ」
[訳] このそんなことはないはずの(ご兄弟の)御仲が悪くなってしまったので、こちらのことまでもうとましくお思いになるのだろうか。
②
人気(ひとけ)がなくて寂しい。気味が悪い。
出典源氏物語 夕顔
「けうとくもなりにける所かな。さりとも、鬼なども、我をば見許してむ」
[訳] 気味が悪くなってしまった所だなあ。それにしても、鬼などもきっと私のことは見逃してくれるだろう。◆「け」は接頭語。近世以降「きょうとい」と発音。
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