学研全訳古語辞典 |
しめ・る 【湿る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
湿気を含む。湿る。
出典枕草子 七月ばかりいみじうあつければ
「霧にいたうしめりたるを脱ぎ」
[訳] 霧にひどく湿っている(衣を)脱ぎ。
②
(火や灯火が)消える。雨・風・火の勢いが弱まる。衰える。
出典源氏物語 明石
「やうやう風なほり、雨の脚しめり」
[訳] だんだん(暴)風も静まり、雨脚が弱まり。
③
(物思いに)沈む。しんみりする。
出典源氏物語 宿木
「常よりも、しめり給(たま)へる気色(けしき)の」
[訳] いつもよりも沈みなさっているようすの。
④
落ち着いている。もの静かである。
出典源氏物語 絵合
「これは、人ざまもいたうしめり、恥づかしげに」
[訳] この方は、人柄もたいそう落ち着いて、立派なようすで。
湿るのページへのリンク |