学研全訳古語辞典 |
うち-しめ・る 【打ち湿る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
水気を帯びてしっとりする。湿る。
出典源氏物語 宿木
「露にうちしめりたまへるかをり」
[訳] (庭の草の)露に湿りなさった(薫(かおる)のお召し物の)薫りが。
②
物静かになる。しっとりと落ち着く。しんみりする。
出典源氏物語 蛍
「うちしめりたる宮の御けはひも、いと艶(えん)なり」
[訳] しっとりと落ち着いた(兵部卿(ひようぶきよう)の)宮のごようすも、まことに優美である。
③
物思いに沈む。ふさぎ込む。
出典源氏物語 柏木
「うちしめり、面瘦(おもや)せたまへらん御さまの」
[訳] 物思いに沈み、顔がおやせになっていらっしゃるだろうと思われるごようすが。◆「うち」は接頭語。
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