学研全訳古語辞典 |
うち-わたし 【打ち渡し】
①
総じて。おおかた。
出典源氏物語 宿木
「うちわたし世に許しなき関川をみなれそめけむ名こそ惜しけれ」
[訳] 総じて世間では許されない関所の川(=一線)を越えて、その川の水にぬれるように(私があなたに)慣れ親しんだという浮き名が立つのが残念だ。
②
(時間的・空間的に)ずっと。
出典夜の寝覚 二
「うちわたしひとりわびしき夜半(よは)の寝覚(ねざ)めを」
[訳] ずっとひとりで過ごしていて、つらい夜中の目覚めをする私のことを。
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