学研全訳古語辞典 |
さら-ぬ 【然らぬ】
分類連語
①
そうでない。それ以外の。そのほかの。
出典徒然草 一三七
「鳥部野(とりべの)・舟岡(ふなをか)、さらぬ野山にも、送る数多かる日はあれど、送らぬ日はなし」
[訳] (有名な火葬場の)鳥部野や舟岡、そのほかの野山にも、(死者を)葬る数の多い日はあるけれど、葬送しない日はない。
②
たいしたことではない。なんでもない。
出典平家物語 一〇・維盛入水
「涙おしのごい、さらぬ体(てい)にもてないて申しけるは」
[訳] 涙をぬぐい、なんでもないようすに振る舞って申したことには。
参考
体言を修飾して連体詞のように用いられる。
なりたち
ラ変動詞「さり」の未然形+打消の助動詞「ず」の連体形
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