学研全訳古語辞典 |
かたえ 【片方】
⇒かたへ
かた-かた 【片方】
①
片一方。片ほう。
②
片すみ。
出典宇治拾遺 五・九
「かたかたへ行きて、さうぞきて」
[訳] 片すみに行って、装束を着て。
かた-へ 【片方】
①
片方(かたほう)。片側。
出典古今集 夏
「夏と秋と行きかふ空の通ひ路(ぢ)はかたへ涼しき風や吹くらむ」
[訳] ⇒なつとあきと…。
②
一部分。
出典土佐日記 二・一六
「五年(いつとせ)六年(むとせ)のうちに、千年(ちとせ)や過ぎにけむ、かたへはなくなりにけり」
[訳] 五、六年の間に、千年が過ぎてしまったのだろうか、(池のほとりの松の)一部分はなくなってしまっていた。
③
かたわら。そば。
出典徒然草 九三
「これを聞きて、かたへなる者のいはく」
[訳] これを聞いて、そばにいる人が言うことには。
④
仲間。同輩。そばにいる人。
出典徒然草 一四二
「ある荒夷(あらえびす)の恐ろしげなるが、かたへにあひて」
[訳] ある荒々しい東国武士で恐ろしそうな男が、そばの人に向かって。
片方のページへのリンク |