学研全訳古語辞典 |
あま・し 【甘し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
(味が)甘い。
②
おいしい。うまい。
出典笈の小文 俳文・芭蕉
「晩食、肉よりもあまし」
[訳] 遅い夕食は肉よりもおいしい。
③
(性格・態度ややり方などが)しっかりしていない。なまぬるい。甘い。
出典百日曾我 浄瑠・近松
「武士に似合はぬあまい事」
[訳] 武士に似合わないなまぬるいこと。
うま・し 【甘し・旨し・美し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
おいしい。味がよい。
出典万葉集 三八五七
「飯(いひ)はめどうまくもあらず」
[訳] ご飯を食べてもおいしくもない。
②
都合がよい。ぐあいがよい。
出典国性爺合戦 浄瑠・近松
「やあうまい所へ出会うたな」
[訳] やあ都合のよい所で出会ったな。◇「うまい」はイ音便。
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
すばらしい。立派だ。よい。
出典万葉集 二
「うまし国そあきづ島大和の国は」
[訳] ⇒やまとには…。
参考
中古以降ク活用が一般的になった。上代には、[二]のシク活用は、用例のように、語幹(終止形と同形)が体言を修飾した。
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