学研全訳古語辞典 |
むすぼほ・る 【結ぼほる】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
(解けなくなるほど、しっかりと)結ばれる。からみつく。
出典源氏物語 朝顔
「秋果てて霧の籬(まがき)にむすぼほれあるかなきかに移る朝顔」
[訳] 秋が終わって霧のたち込めた目の粗い垣につるがからみつき、あるのかないのかわからないほどに色あせてしまった朝顔よ。
②
(露・霜・氷などが)できる。
出典新古今集 恋四
「通ひ来(こ)し宿の道芝かれがれに跡なき霜のむすぼほれつつ」
[訳] あの人の通って来た家の道の雑草は枯れ、訪れも間遠になった。今は足跡のつかない霜が降りていることだ。
③
気がふさぐ。くさくさする。
出典源氏物語 手習
「たゆみなくむすぼほれ、物をのみ思(おぼ)したりしも」
[訳] 絶えず気がふさぎ、物思いばかりなさっていたのも。
④
関係がある。縁故で結ばれる。
出典平家物語 一〇・首渡
「平家にむすぼほれたる人々は」
[訳] 平家と関係をもっている人たちは。
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