学研全訳古語辞典 |
まかり-い・づ 【罷り出づ】
活用{で/で/づ/づる/づれ/でよ}
①
退出する。お暇(いとま)する。▽「出づ」の謙譲語。
出典伊勢物語 一二一
「男、梅壺(うめつぼ)より雨にぬれて人のまかりいづるを見て」
[訳] 男が、梅壺から雨にぬれて女の退出するのを見て。
②
参上する。出頭する。▽貴人・上位者のもとへ行く意の謙譲語。
出典後撰集 春上・詞書
「女の、宮仕へにまかりいでて侍(はべ)りけるに」
[訳] 女が、宮仕えに参上してお仕えしていたときに。
③
出て参る。参ります。▽「出づ」の丁寧語。
出典末広がり 狂言
「まかりいでたる者は、このあたりにかくれもない、大果報の者でござる」
[訳] 出て参った者は、このあたりでよく知られたしあわせ者でございます。
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