学研全訳古語辞典 |
かおる 【薫る】
⇒かをる
かを・る 【薫る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
(煙や霧などが)ほのかに立ちのぼる。
出典万葉集 一六二
「潮気(しほけ)のみかをれる国に」
[訳] 潮の香だけがほのかに立ちのぼっている国に。
②
よい香りがする。
出典源氏物語 蜻蛉
「橘(たちばな)のかをるあたりは」
[訳] たちばなのよい香りがするあたりは。
③
つややかに美しく見える。
出典源氏物語 柏木
「まみのかをりて、笑(ゑ)がちなるなどを」
[訳] 目もとがつややかに美しく見えて、笑みをたやさないことなどを。
注意
①と③は現代語にはない意味である。
くゆ・る 【燻る・薫る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
くすぶる。煙や匂(にお)いが立ちのぼる。
出典源氏物語 花宴
「いとけぶたうくゆりて」
[訳] (香が)たいそうけむたいほどくすぶって。
②
思いこがれる。▽比喩(ひゆ)的に用いる。
出典蜻蛉日記 上
「燻(ふす)べやしつるくゆる思ひに」
[訳] くすぶっているのだろうか、思いこがれる思いのために。
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