学研全訳古語辞典 |
かかや・く 【輝く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
まぶしいほど光る。光るように、目立って美しく見える。
出典枕草子 関白殿、二月二十一日に
「水葱(なぎ)の花いときはやかにかかやきて」
[訳] 水葱の花(の形の輿(こし)の飾り)がたいそうきわだってまぶしいほど光って。
②
(恥ずかしくて)顔がほてる。恥ずかしがる。
出典源氏物語 竹河
「蔵人(くらうど)の少将の、月の光にかかやきたりし気色(けしき)も」
[訳] 蔵人(くろうど)の少将が、月光の下で恥ずかしそうにしていたようすも。
活用{か/き/く/く/け/け}
恥ずかしい思いをさせる。
出典枕草子 里にまかでたるに
「昼も夜も来る人を、なにしにかは、『なし』ともかかやき帰さむ」
[訳] 昼も夜も来る人を、何の必要があって「不在だ」などと言って恥ずかしい思いをさせて帰せようか(いや帰せない)。
注意
[一]②と[二]は現代語「かがやく」にはない意味。
参考
近世中期以降は「かがやく」とも。
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