学研全訳古語辞典 |
まよひ 【迷ひ】
①
心の迷い。惑い。
出典徒然草 三八
「まよひの心をもちて名利(みやうり)の要(えう)を求むるに」
[訳] 迷いの心で名誉や利益の欲望を求めると。
②
紛れること。紛れて、はっきりしないようす。紛れ。
出典源氏物語 若紫
「朝ぼらけ霧立つ空のまよひにも」
[訳] 明け方の空に霧が立ちこめてはっきりしないようすの中にも。
③
(織り糸や髪の毛などが)乱れて片寄ること。ほつれ。乱れ。
出典万葉集 一二六五
「今年行く新島守(にひしまもり)が麻衣(あさごろも)肩のまよひは誰(たれ)か取り見む」
[訳] 今年行く新島守の麻衣の肩のほつれはだれがつくろうのだろうか。
④
混雑。混乱。
出典源氏物語 総角
「人のまよひ、少し鎮めておはせむ」
[訳] 人々の混乱を、少し鎮めてからおでかけなさるだろう。
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